スポケインの女性達
さて、冬休みがあっという間に終わり、冬学期がやってきた。春学期じゃないんかい!と思うかもしれないが、大体のコミカレは4学期制であるため、冬休みが終わった後は冬学期である。
冬学期も相変わらず勉強ずくめになるのだが、秋学期に比べると超簡単である。なんせ忌々しいEnglish 101がもう無くなったし、秋に頑張りすぎたので冬休みはちょっとラクしようと思ったのだ。もちろん成績オール4.0を取るために気を抜くことは全くなかったが、それでも休日なんかは遊ぶようにしていた。
1学期だけとはいえ、スポケインでは既に友達は何人かできていた。そして僕も男である。色々綺麗な人ととも知り合いになって女性に目移りするようになっていた。

まずはアメリカ人のメーガン。彼女は金髪の女の子だったが、別に顔はそこまで美人ではなかった。それでも彼女はとてもフレンドリーで僕に彼女から色々接してくれた。なんというか、冗談を言える仲で彼女が隣にいるととても楽しかった。ただ問題はメーガンには彼氏がいたのだ。その彼氏はアンディと言って、消防士を目指している。何度か話したこともあるが、イケメンでとてもフレンドリーなやつだった。メーガンが彼女だったら…と思うこともあったが、僕はあまり突っ込まないようにしていた。彼女とは友達でいたいし、失うと悲しい存在だ。なので僕は彼女に特に何もアクションをかけなかった。
また、スポケインにはユキという可愛らしい日本人もいた。彼女は交換留学という形でスポケインに来ていた。日本人のパーティーで知り合い、いつもニコニコしている彼女の顔をみるのが好きだった。よく2人でランチをとったりもしていた。
そしてもう1人、アマンダというハーフの子がいた。この子は僕のタイプなクール系女子、という感じで男勝りの性格をしていたが、スタイルも良くてフレンドリーでよくお互い話していた。
ちなみに自分で言うことではないが、僕はそんなに顔も性格も悪くない。高校時代も何人か人気の女子と付き合ってきた。だからユキとアマンダはもしかしたら…と思っていた。バレンタインのチョコもどちらにあげようか迷っていたし(最低)。結局チキってどちらにも渡せなかったのだが。でも、問題は、いずれの女性達も、そこまで「死ぬほど付き合いたい女性」と言う感じではなかった。僕はそういう人がいれば恥かいてでもアタックする男である。なのでおそらくどこかで「別にいいや」と思っている自分がいたのだ。
「あの子」と再会
うーーーーん、まあここは辛抱して勉強一筋でいくかあ、と思いかけていた。すると冬学期のある日、American Honorsの少し格式のあるパーティーに参加することになった。どんなイベントだったか忘れたが、とりあえず男性はスーツ、女性はドレスを着る、というちゃんとしたイベントだった。
僕もちゃんとスーツを着て、テーブルについていると、入り口の方からピンク色のドレスを着た女性が歩いてきた。見覚えのある女性だ。
覚えているだろうか?
メリッサだ。
American Honorsのオリエンテーションで僕に親身なって色々教えてくれた綺麗な女の子だ。
僕は彼女をみて目を丸くしてしまった。あまりにも綺麗だったのだ。もちろん綺麗なのは元々なのだが、今日は格段に綺麗だった。胸元が少し開いたピンクのドレスを着ていて、すらりと長くて細い足が見えている。お化粧もしていて、笑った顔が眩しかった。彼女を見てなんて綺麗な子なんだろうと唖然としてしまった。
隣に座っているエンジェルという中国人が余計なことを言ってきた。
「あ、メリッサだ!話しかけに行かない?」
エンジェルはメリッサと親しいらしく、よく一緒に遊ぶそうだ。僕は嫌だ、と言えず彼女について行った。しかし何を話せばいいか分からん。しかも僕はあそこまで綺麗な女の子に会うと、緊張して言葉が出てこないのだ。
メリッサは僕とエンジェルを見ると、またあの可愛い笑顔を見せて「調子はどう?」と言った。エンジェルは「絶好調よ!」と言って、メリッサは「Takaは最近どう?」と僕の方を向いた。
僕の名前を覚えていてくれたことに感激してしまった。それプラス、彼女の美貌に見惚れてしまってもう脳が上手く機能していなかった。そして僕はあろうことかいきなりこう言ってしまった。
「めちゃくちゃ綺麗だね」
挨拶じゃなくて、マジでこう言ってしまったのでメリッサもちょっと困惑していた。でも笑って、「ありがとう。あなたも素敵よ」と言ってくれた。そして僕はその後何も言えず、エンジェルとメリッサは2人はそのまま談笑を続けた。
エンジェルと僕は元いたテーブルに戻ると、彼女は僕の顔を覗き込んだ。
「あなた、メリッサのこと好きなんでしょ」と。
でも僕は全否定した。でもこれは強がりじゃなくて、本当に恋心はゼロだった。皆さんもこんな経験ないかな?手が届かなすぎて、恋なんていう感情すら芽生えないのだ。
僕はこう説明するとエンジェルは納得したようなしてないような顔をして、「ふーん」と言った。
まあこの時の僕も、この先僕自身とメリッサとの間で色んなことが起きることを全く知らなかった。彼女に名前を覚えてもらっていた、という事実でとてもハッピーになった日だったが、これも次の日になればすぐ忘れた。あまりに高嶺の花だから、彼女のことを気にすることさえしなかった。でも今僕は当時の自分にこう言いたい。
「今すぐアタックしろ!今すぐに!」
詳しい話は後でのお楽しみに!
どうなったか楽しみです!
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