最大の敵、TOEFL
もはや僕の留学物語の最大の敵と言っても過言ではないのがこのTOEFLである。留学生にとってアメリカの大学申し込みにはこのTOEFLというのは、「大学の授業を問題なく英語でついていくことができますよ」という証明のために必ず必要である。
僕の場合、アメリカ国籍を保有しているため(アメリカで生まれたため)、実は留学生ではなくアメリカ人として大学に申し込むのだが、人生の大部分を日本で過ごしてきた僕はこのTOEFLの証明は必須なのである。
僕は日本で83点を取得したが、この点数はレベルの高い大学で合格するにはまだまだだ。ダイキに聞いたところ、テキサス大学とかUCLAなどを受ける人は90点は持っていたほうがいいとのことだ。両大学とも確か、必須の点数は85点とかそこらだった気がするが、余裕を持って90点くらいは取得していたほうがいいらしい。
またまた僕の大っ嫌いなTOEFLだ。クソ難しいテストで留学前は心身ズタボロにされた。TOEFLとまた取っ組み合いか。
それでも学期の最中はTOEFLの勉強なんて1ミリたりとも手をつけることができなかった。何しろ他の勉強や課題やらでそれどころではなかったのだ。それにアメリカにいるのに英語の勉強なんてアホらしいと思っていた。
そのため僕は全く勉強をしないまま、スポケインでTOEFLのテストを受けることになった。

日本とは全く違うテスト会場
めちゃくちゃ雪が降っている中、バスに乗って学校近くのテスト会場に向かった。すると驚いたことに、なんとテストを受ける人が僕の他に2人しかいなかったのだ。日本では何十人もいたのに。でもよく考えればアメリカで英語のテストなんて普通受けないか、と思って妙に納得した。それでも人数が少ないのはとても朗報だった。僕は日本の会場だと、気が散って仕方がなかった。例えばスピーキングのテストなどで、他の人が話しているのが耳に入ってくるので全く集中できなかったのである。
テストが始まった。
久しぶりのTOEFLとあって、なんと手こずってしまった。全くできている気がしない。アメリカに来て授業をちゃんと受けているのに手応えが全くないのだ。
そしてテストが終わってしまった。非常にまずい。まさか僕はこの先またTOEFLとの格闘を始めなきゃいけないのか…と唖然としてしまった。この様子だと70点くらいかもしれない。少しでも勉強して感覚を取り戻しておくべきだったか…と後悔した。
そして数日後、TOEFLの結果が届いた。僕は恐る恐る点数をチェックすると、驚きで目を見開いた。
驚きのテスト結果
なんと94点獲得していたのである。
94点って…. そこらへんの帰国子女くらいじゃないか、と唖然としてしまった。僕自身も全く気付いていなかったのだが、アメリカでのほんの数ヶ月の間に物凄く英語が上達していたのだ。極め付けはスピーキングだった。留学前は18点とかそこらだったのが今回25点近くまであった。それもそうか。毎日のように英語でディスカッションやプレゼンをしていたのだから上達しないほうがおかしい。
94点という点数はもちろんハーバードとかスタンフォードを目指している人にとってはまだ足りていないが、テキサス大学やボストン大学やUCLAを目指している僕にとって十分すぎる点数だった。94点取れたことで、申し込みできる大学の幅も広がった。
僕はこれからTOEFLとの戦いを始める準備をしていただけに、このサプライズはとても嬉しいものだった。そして、これが僕が受けた最後のTOEFLになった。
TOEFLとの戦いに向けたアドバイス
「だったら日本でそこまで高い点数を取らずに、アメリカの留学中にとればいいじゃないか」という人がいるかもしれないが、それは全くの誤解である。僕は日本でしっかりTOEFLの経験を積み、ギリギリまで点数を高めて留学することをお勧めする。現に、僕の周りで日本でテキトウにやっていた奴らがアメリカでTOEFLを受けて僕くらい点数を取っている人を見たことがない。全員80点とかそこらで留まっている。僕は日本でしっかりベースを仕上げていたためにこのような点数が取れたのだ。
TOEFLを舐めてはいけない。留学前からTOEFLと格闘することが円滑に編入を進めるための鍵だ。