American Honorsのオリエンテーション

さて、スポケインでの生活もようやく慣れてきたところでいよいよ学校でのオリエンテーションだ。今日は僕がこれから2年間通うことになるSpokane Falls Community Collegeに行って、American Honorsのオリエンテーションを受ける。

もう一度簡単にAmerican Honorsの説明すると、このAmerican Honorsという組織はそこに加入する生徒の、コミカレから四年制大学の編入を全面サポートする組織だ。この組織はコミカレと全米のいくつかの四年制大学と提携していて、このネットワーク内での編入の確率がグンと上がる、というシステムだ。

このオリエンテーションで、僕はこれからの人生に重要な影響を与える2人に会う。コミカレの2年間だけではない。この2人との関係は、今このブログを書いている今現在にまで続いている。

とにかく僕は、ホームステイ先から初めて学校にいく事になった。実はバスを2つ乗り継がなければ行けなくて結構面倒くさいことを知った。

それでも学校が見えてくると、美しさに圧倒された。自然豊かなキャンパスはいかにもアメリカの大学という感じで、隣には川を横目にハイキングができるコースがある。

僕が校舎に入ってオリエンテーションが行われれる部屋に向かうと、そこには見慣れた女性の姿があった。Eliza (エライザ)だ。彼女とは日本にいる時から僕と常にコミュニケーションをとってくれているAmerican Honorsのアドバイザーだ。満面の笑みと共に嬉しそうにハグをしてくれた。

田舎街になんともう1人の日本人

部屋に入ると、そこにはもうすでに生徒が何人もいて彼らは各々グループを作っている。ここで気づいたのが、American Honorsという名前のくせにアジア人が死ぬほどいる。ほぼ中国人だ。

なんだこれじゃあChinese Honorsじゃないか、と思ったが、僕は誰も座っていないテーブルに座った。数分経つと他の学生も僕のテーブルに座った。全員白人だ。彼らはテーブルにつくとすぐに他の人たちと打ち解けていて、さすがアメリカ人、という感じだった。僕はその輪には入れずに1人で静かに座っていた。さすがは日本人だ。

あたりをキョロキョロ見回していると、そこには背の高いでかいアジア人が遠くの方で座っていた。僕は一目で彼は日本人だ、と分かった。なんというか、立ち振る舞いとかがとても落ち着いていて、彼も僕みたいに静かに座っている。でもその表情からは自信が伝わってきた。まさかこんな小さな田舎のコミカレで日本人がいるなんて、と驚いた。でも、彼とはこの先交わることはないだろう。僕は日本人の友達を作りにきたわけじゃないから。この時の僕は何も分かっていなかった。まさか彼と僕がライバルになり、同時に生涯の親友になるなんて。

美人なアメリカ人、メリッサとの出会い

オリエンテーションが始まった。これからアドバイザーの自己紹介やこの先の2年間のスケジュールなど、オリエンテーションらしい内容が説明され、今学期の授業のカリキュラムを渡された。今日はこれから2年間の授業を学期ごとにスケジュール立てするらしい。もちろんこの先色々変わることはあると思うが、今のうちに大まかなことは決めておいた方がいいそうだ。

スケジュール表を渡され、授業のカリキュラムを見ながら予定を埋めていった。でも難しい。やはり編入時に単位移行が不可能な授業もあるので慎重に決めないと編入をミスってしまう。

頭をポリポリかいていると、

“Are you okay?”

という女の子の声が聞こえた。顔を上げると、そこには美しい女の子がいて僕のスケジュールを覗き込んでいた。白人だろうか?真っ白な白人ではないし、金髪ではないからどこかのハーフに違いない。顔が小さくてスリムで日本人好みの西洋人という感じだ。

ちょっと顔が火照ったが、彼女が親身になって色々教えてくれた。どうやら彼女もAmerican Honorsの一員ですでに2学期を終えたようだ。名前はMelissa (メリッサ)というらしい。色々勝手が分かっているからと、取らなければ行けない必須のクラスや割と楽に成績を取れるクラスを僕にアドバイスしてくれた。

“ありがとう。君のおかげで助かったよ”

というと、彼女はどういたしまして、と言って他のテーブルに去っていった。メリッサか。ああいうのを高嶺の花と言うんだろうなと自分で納得してしまった。また会えるのだろうか。

同じくこの時点でも僕は何も分かっていなかった。もう一度会うどころではなくて、彼女は僕の人生の重要な人物になる女性だったのだ。

さて、今日のところはここまでだ。オリエンテーションも無事に終わり、いよいよ明日、コミカレのオリエンテーションだ。ここでも、僕は色々な出会いを果たす。