交換留学!?

あれ?留学って、交換留学のことだったの?と思うかもしれないが。そう早まらないでほしい。現に僕はテキサス大学を卒業しているけど、最初は交換留学をするのが最も自然な流れだと思ったのだ。

 

ということでSFCがやっている交換留学を検索してみた。さすが、SFCというだけあって、たくさんの留学先候補があったのだが、1つ気になることがあった。交換留学にはTOEFLが必要だったのである。英語のテストという超漠然としたイメージしかなかったので、一体どんなテストでどのくらい難しいのか全く見当がつかなかった。

まあTOEFLは置いておいておこう(後でじっくり説明する)、何日かリサーチをしていると、アメリカの大学の素晴らしさがわかってきた。

 

とにかくなんでも学べる。

 

僕が学びたかった映画学部ももちろんあった。アメリカの大学のいいところは、このように専攻が少し特化したものであっても同時に一般教養を学ぶことが求められることだ。

つまり僕が実際映画学部を専攻したとしても、それと同時に数学や生物など別の分野の授業もしっかり学ばなければならないのである。日本では映画を大学で学びたいと思っても、なんちゃら芸術大学とか、それこそ専門学校にいかなければならないだろう。アメリカは日本とは違い、学びたい分野のオプションを大きな自由度で与えてくれるのである。

こんな風に調べて、アメリカの大学の魅力に惚れ込んでいると、こんな考えが僕の頭の中を駆け巡っていた。

 

「一年交換留学に行くくらいならガッツリアメリカの大学を卒業する方がよくないか?」

 

腐っても慶應

しかし問題がある。僕が行っている大学はSFCである。「腐っても慶應」である。僕の両親は割と寛大な性格だったが、中学から高い学費を払ってわざわざ慶應に入れさせたのに、一番大事な大学を放棄しようとしているのだから、反対されるに違いない。どうみても親不孝な考えである。

でももう僕はアメリカの大学への憧れにすっかり虜になってしまっている。今僕が一番やりたいことは「アメリカの大学に行くこと」なのだ。大学一年生でやりたいことがある人なんてそうそういない。やりたいことがある、ということはとても貴重だったし、全てをかけてアメリカで大学生活を過ごす自信が僕にはあった。

 

「とりあえず、母親に話してみよう」

 

そう思い、ある日僕は大学終わりに自宅に向かったのである。