
果たして両親の反応はいかに
正直なところ、僕は母親に「大学を退学してアメリカに行きたい」と伝えたシチュエーションをよく覚えていない。十中八九、夕食の席だったと思うが、確実に覚えているのは僕が衝撃を受けたという事実のみである。
「そう。いいんじゃない?」
それだけの受け答えだった。
しかも母親は妙に嬉しそうである。
これは後で知ったことなのだが、実は母親も同様の経験があったのである。彼女は短大を卒業してどこかの会社に普通に就職したのだが、何年かしてそこを辞めている。理由は1つ。アメリカ留学するためである。
彼女は、会社を辞めて、アメリカのシアトルに留学をしたのである。留学と言っても語学学校に一年ほど行っただけのことであったが、母親は僕によくその留学したときの話をしてくれた。ホームステイ先の家族がとてもいい人だったとか、車でラスベガスまで行ったとか、そんなことをよく話してくれた。その話をする母親は昔を懐かしみ、何十年も若返ったみたいだった。彼女にとってアメリカでの経験は人生で重要な糧になったようだ。
話を戻すが、こうも簡単にOKをもらうとこっちも「鳩に豆鉄砲」状態である。色々彼女を説き伏せるためのシミュレーションをしていたのに全部無駄となってしまった。
父親に話しても、彼はそもそも人に関心がないので即OKである。自由奔放主義で、僕が何かやりたいと言って反対することは人生で一度もなかった。今回のことも父親に話しても絶対に反対されないという確信があった。
しかし、それから数年して、あの時2人とも快くOKを出してくれたのはなぜだろうと考えると、1つ思い当たる節がある。
それは僕が言われなくてもやる人間だったからである。
小さい頃からテニスを始め、中学に行ってそのままテニス部に入って毎日テニス三昧でも僕は勉強を決して怠らなかった。母親に「宿題しろ」なんて言われたこともないし、成績表を見られたことも無い(僕の知る限り)。現に僕はこの留学決断をした後も誰に何を言われることなく死ぬほど英語を勉強をした。おそらく、両親は僕が海外に行っても十分にやっていけると確信していたんだと思う。
それに加え、僕の母親は僕のために色々な大学のリサーチをしてくれた。映画学で有名な大学をリストアップし、「テキサス大学」がいいんじゃないかと勧めてくれた。なんだかんだ、自由奔放主義と言ってもこうして僕のために色々尽くしてくれることに嬉しく感じていた。
「いいね、テキサス大学。そこにしようかな。」
しかし、この時僕は知らなかった。
僕の前には、TOEFLという死ぬほどデカイ壁が立ちはだかっていたのである。
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